介護保険制度が平成12年に開始されてから今日までの間、サービス供給主体の多様化、サービス供給量の増加、サービスの質の向上という点で飛躍的な進展があった。
しかしながら、介護保険制度発足後2度にわたる介護報酬の改定などを背景に運営事業者の収支差の率は大幅に低下しており、特に東京特別区の地域においては、国の平成19年事業経営概況調査においても介護老人福祉施設の場合、収支差がマイナス5.2%となっている。また、昨今の食材費や燃料費の高騰は事業運営に大きな影響を与えている。
こうした中で、従事者の給与水準は相対的に低く、介護現場においては離職者の補充が困難になるなど人手不足が深刻化している状況にある。このような状況を看過することは、ようやく整いつつある介護基盤を揺るがすことにつながりかねない。
他方、国においては、「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する指針」を昨年改正しており、この中では国民各層から選択される職業となるよう給与を含めた労働環境の改善が明記されている。
そこで、品川区議会はこの人材確保指針の趣旨が実現されるよう介護報酬の改定の中で、とりわけ都市部における報酬加算率を含め十分配慮されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成20年10月22日
品川区議会議長 伊 藤 昌 宏
内閣総理大臣 麻 生 太 郎 様
厚生労働大臣 舛 添 要 一 様