地方消費者行政の充実を求める意見書

 輸入冷凍餃子への毒物混入や事故米穀の不正規流通問題、一連の食品偽装表示事件など、食の安全・安心に関わる問題をはじめ、ガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故、シュレッダーによる指切断事故など、多くの分野で消費者被害が発生し、顕在化している。さらには多重債務、架空請求、振り込め詐欺などの被害も後を絶たない状況である。
 地方自治体の消費生活相談窓口である消費者センターは、消費者にとって身近で頼りになる相談窓口であり、被害の多くは同センターに相談が寄せられている。また、全国における相談件数も、近年大幅に増加しており、消費者センターの役割は一層重要なものとなっている。
 このような状況の中、政府は消費者行政の一元化・強化の方針を打ち出し、消費者庁の設置などの政策を検討しているが、消費者利益が守られるためには、地方における消費者行政の充実強化が不可欠である。
 よって、品川区議会は、消費者の目線に立った消費者行政を実現させるため、下記の事項を強く要望する。

1 消費者の苦情相談が地方自治体の消費生活相談窓口で適切に助言・あっせん等により解決されるよう、消費者センターを法的に位置づけるとともに、消費者被害状況の集約体制を強化し、国と地方のネットワークを充実すること等、必要な法制度の整備をすること。
2 地方消費者行政の体制・人員・予算を抜本的に拡充強化するため、必要な財政措置を講ずること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成20年10月22日

品川区議会議長 伊 藤 昌 宏

衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 江 田 五 月 様
内閣総理大臣 麻 生 太 郎 様
総務大臣 鳩 山 邦 夫 様
消費者行政推進担当大臣 野 田 聖 子 様