品川区立中学校の男子生徒が、今秋、自殺した。いじめ等調査対策委員会からの報告書では、「一連のいじめは自殺の誘因となったと判断せざるを得ない」と結論付け、学校内で繰り返されたいじめについて、「学校、教員が気づかず、組織として解決できなかった責任は免れない」と指摘している。
こうした指摘を深刻に受け止め、二度と同じ過ちを繰り返すことがないよう強く願うものである。引き続き、学校現場および教育委員会による対応はもちろん、地域と関係機関が一体となって、いじめ解決に向けた体制を早急に構築すべきである。
そのためには、品川区の子どもたちが自己肯定感を高め、一人ひとりの違いを尊重し合えるような集団づくり、学校づくりを進めること、また、いじめの芽に気づいた際には、学校が組織として対応できるような教師集団を日頃から構築することが急務である。
同時に、保護者はもちろんのこと、大人一人ひとりが子どもたちの心に寄り添い、その温かな心と子どもたちが接する機会を学校内外に育てることで、子どもたちの孤独感を取り除き、子どもたちがたくましく、心やさしく成長することを心から期待するものである。
よって、品川区議会は、社会全体の責任において子どもたちを守り育てるという認識のもと、すべての区民とともに子どもたちの心が豊かに成長する環境づくりに向けて取り組むこととする。さらに、品川区および品川区教育委員会に対し、いじめに苦しんでいる子どもの救済施策、ならびにいじめを生まない学校づくりに向けた施策等を強力に展開することを求め、二度といじめによる悲劇が起こらないことを期するものである。
以上、決議する。
平成24年12月7日
品 川 区 議 会