ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成の拡充を求める意見書

 国内における患者数が合計約350万人以上とされるウイルス性肝炎患者に対する医療費助成は、現在、肝炎治療特別促進事業として実施されているが、対象となる医療が、B型・C型肝炎ウイルスの減少を目的とした抗ウイルス療法であるインターフェロン治療とB型肝炎の核酸アナログ製剤治療に限定されているため、医療費助成の対象から外れている患者が相当数にのぼっている。特に、肝硬変・肝がん患者は高額の医療費を自己負担せざるを得ないだけでなく、就労不能の方も多く、生活に困難を来している実情がある。
 また、現在は肝硬変を中心とする肝疾患も身体障害者福祉法上の障害認定の対象とされているものの、医学上の認定基準が極めて厳しいため、現在の制度は肝炎患者に対する生活支援の実効性を発揮していないとの指摘が見受けられる。
平成23年12月の特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の制定時には、「とりわけ肝硬変及び肝がんの患者に対する医療費助成を含む支援の在り方について検討を進めること」との附帯決議がなされた。肝硬変・肝がん患者は、毎年約4万人もの方が亡くなっており、医療費助成を含む生活支援の実現は喫緊の課題であるが、国において、新たな具体的措置は何ら講じられていない。
 以上を踏まえ、本区議会は国及び政府に対し、下記の事項を強く要望するものである。

  • ウイルス性肝硬変・肝がんに係る医療費助成制度を創設すること
  • 身体障害者福祉法上の肝機能障害による障害認定基準を緩和し、患者の実態に応じた認定制度にすること

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成26年11月21日

品川区議会議長 石 田 秀 男

衆議院議長  様
参議院議長  山 崎 正 昭 様
内閣総理大臣  安 倍 晋 三 様
厚生労働大臣  塩 崎 恭 久 様