【提出先】衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
選択的夫婦別姓について議論を尽くすことを国会及び政府に求める意見書
婚姻後も旧姓の通称使用を希望する人がいることから、令和2年12月に政府が閣議決定した第5次男女共同参画基本計画では、「婚姻により改姓した人が不便さや不利益を感じることのないよう、引き続き旧姓の通称使用の拡大やその周知に取り組む」ことが明記されており、各省庁では既に、免許証、パスポート等について、旧姓併記ができるように改めている。
しかし、旧姓の通称使用が法律に基づいていないために、民間公益法人の資格や金融機関の口座開設など通称使用を認めていないケースもある。また、婚姻を希望するものの、いずれか一方の姓になることにより、個人のアイデンティティが喪失されるとの意見もある。
一方で、選択的夫婦別姓制度を採用した場合、親子や兄弟姉妹の別姓につながり、子どもへの影響を懸念する声や戸籍制度を通じた手続きの煩雑さを懸念する声も存在している。
最高裁判所大法廷は、平成27年と令和3年の2度にわたり、夫婦同姓制度は憲法に違反していないと判断しつつも、夫婦の姓に関する制度の在り方は「国会で論ぜられ、判断されるべき」と判示しており、「国民の様々な意見や社会の状況の変化等を十分に踏まえた真摯な議論がされることを期待する」との意見も記載され、国会に委ねられた。 その後、十分な議論が進んでおらず、選択的夫婦別姓を求める訴訟が相次いで提起されている。
よって、品川区民を含む全ての国民が、誰もが自分らしく生きられるよう、国会及び政府に対し、国民の様々な意見や社会状況の変化等を十分に踏まえた真摯な議論を尽くされるよう、強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
令和7年2月21日
品川区議会議長 渡辺 ゆういち