今日、地方自治体は、自らの財政構造を透明化し住民への一層の説明責任を遂行するとともに、その経営力を強化することが求められている。そのため、発生主義会計の視点を取り入れた地方公会計制度の改革およびその具体化にむけた財務諸表の充実と公会計基準の作成が喫緊の課題となっている。
こうした中、国は、「基準モデル」と「総務省方式改定モデル」という2つの公会計モデルを提示した。しかし、これらのモデルの作成過程において、地方自治体の意見が十分に反映されているとは言えない。また、これらのモデルは、我が国で一般的に用いられている企業会計基準や、諸外国で準拠している国際公会計基準の考え方とも異なるものである。さらに、モデルの採用が自治体によって2つに分かれるとなると、他の自治体との比較分析に活用することも困難となるため、多くの自治体が困惑している。
よって、品川区議会は、国会および政府に対し、財務諸表が住民にわかりやすいものとなるよう、地方自治体の広範な参画の下に、全国標準となり得る公会計基準を作成するよう強く要請する。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。
平成20年10月22日
品川区議会議長 伊 藤 昌 宏
衆議院議長 河 野 洋 平 様
参議院議長 江 田 五 月 様
内閣総理大臣 麻 生 太 郎 様
総務大臣 鳩 山 邦 夫 様