じん肺根絶を求める意見書

 じん肺は、鉱山現場、トンネル建設、鋳物製造、造船・機械工業など、小さな土ぼこりや金属の粒などの無機物または鉱物性の粉じんの発生する作業環境で働く方が、その粉じんを長い年月にわたって多量に吸い込み、肺機能を次第に低下する重大な職業病である。
 じん肺は一度かかると正常な肺に戻す治療法がなく、気管支炎や気胸、結核など様々な疾病を合併して発症することも多く、死に至ることもあることから罹患者だけでなくその家族をも苦しめる悲惨な病気であり、早急に解決を図るべき問題である。
 国連においては、1995年に国際労働機関ILOと世界保健機関WHOが、じん肺根絶目標年を2015年と定め、各国にじん肺根絶プランの策定と実行を呼びかけている。
 政府においても、粉じんが発生する職場で働く方々をじん肺から守るため、「じん肺法」を始め、「労働安全衛生法」、「粉じん障害防止規則」等を制定し、作業環境の改善や健康管理の充実等各種の対策を講じてきたところである。
 しかし、じん肺法制定後40年を経過した今日においても未だに新規のじん肺有所見者がみられ、また、新規労災認定対象者も発生する状況が続いている。
 よって、品川区議会は、政府に対し、じん肺問題の解決のために下記の事項を講ずるよう強く要請する。

1 じん肺を早期かつ確実に根絶するため、法改正を含むさまざまな対策を講じること。
2 じん肺患者が発生している企業や産業に対し、適切な指導等を行うこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成16年10月22日

品川区議会議長  松 澤 利 行

内閣総理大臣  小 泉 純一郎 様
厚生労働大臣 尾 辻 秀 久 様
経済産業大臣 中 川 昭 一 様
国土交通大臣 北 側 一 雄 様
総務大臣 麻 生 太 郎 様