大規模災害の対策と早期復旧に関する意見書

 本年は、新潟県中越地震の発生や観測史上最多を数える台風が上陸するなど、日本列島は近年まれにみる大規模な災害に見舞われたところである。
 この一連の災害によって全国各地に死者・行方不明者の発生や、住宅損壊・浸水、農林水産業用施設や農作物、港湾施設等の公共施設等への被害など甚大な人的・物的被害がもたらされ、住民生活と地域経済に大きな影響を及ぼしている。
 この深刻な事態に対し政府として、速やかな応急措置と復旧対策を講ずるとともに、これまでのすべての大規模災害についての対策を総点検し、災害発生の原因や治水計画、防災・地震対策の検証を進め、抜本的な対策を早急に講ずることが必要である。
 よって、国・政府におかれては、被災地のライフラインの復旧並びに、被災者への支援に一層力を注ぐとともに、国民を災害から守るため、将来予測される震災等の自然災害についても万全の対策を講ずるよう下記の事項について強く要望する。

1 被災地住民が安心して住める住宅の確保を最優先に取り組むこと。
2 地域危険度測定調査の結果に基づき、危険度の高い地域を中心に建物の耐震構造化推進等の地震防災対策の見直しを行うこと。特に、避難所や救援活動の拠点となる学校や病院の耐震化には早急な対策を講ずること。
3 都道府県管理区間の中小河川の堤防改修に際しては、緊急点検結果に基づき、優先的に整備を進めること。また、海岸および湾岸の水防施設も同様に、堤防等の総点検を速やかに実施し、整備を進めること。
4 今回の新潟県中越地震の教訓を生かし、国土の7割を占める中山間地での震災対策の確立を早急に図るとともに、災害関連緊急治山事業を速やかに実施すること。
5 防災無線の整備、洪水ハザードマップの策定に関し、早急な普及のための計画策定と予算措置を行うこと。また、区市町村長に対して警戒情報の発令基準および避難誘導マニュアルの策定を急ぐこと。
6 高齢者等の要援護者への対策を含め、広く災害情報の伝達・避難・救助・復旧・自立支援等に関し、対処マニュアルの策定を早急に行うこと。
7 新幹線および高速道路等のライフラインの安全を確保すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出いたします。

 平成16年12月9日

品川区議会議長  松 澤 利 行

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣        あて
財務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣
経済財政政策担当大臣