後期高齢者医療制度に関する意見書

 医療保険制度については、国民皆保険を堅持し、将来にわたり持続可能なものとしていくため後期高齢者医療制度の創設をはじめいくつかの改革が行われている。このうち75歳以上の高齢者を対象とした本制度は平成20年4月にスタートすることとなっており、東京都後期高齢者医療広域連合とその構成自治体では鋭意その準備をすすめているところである。この準備の中で現在課題となっていることのひとつは、これまで老人保健法のもと実施していた基本健診(区民健診)が廃止され、75歳以上の高齢者については広域連合の努力義務となるとともに、これまでの国庫負担3分の1、都負担の3分の1がなくなり、保険料により対応することとなったことである。一方、40歳から74歳の区民については特定健診として医療保険者の責務とされ、国、都の補助がそれぞれ3分の1ずつ予定されている。区民サービスの維持の点から後期高齢者についても健診事業は不可欠であり、保険料負担軽減の見地から国および都の財政支援は不可欠である。また、国の調整交付金が東京の所得水準から大幅に減額される見込みでありこのことも保険料算定にあたり大きな問題となっているところである。
 これらのことから東京の場合、保険料水準が当初国が示した全国平均と大きく乖離しており高齢者の負担という点から問題があるところである。よって、本来、広域連合が保険者として主体となるものであるが、構成自治体としても共有する重要な課題であるため、品川区議会は、下記事項について強く要望する。

1 後期高齢者の健診事業は、疾病の早期発見・早期治療、介護予防、医療費適正化などの観点から重要であり、74歳までの特定健診と同様の財政支援を行うこと。
2 都においても、後期高齢者の保険料に影響を生じさせないため、給付費に対する国庫負担金は12分の4を確保し、広域連合間の所得格差を調整する「調整交付金」は国において別枠で調整額を確保するよう働きかけること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

 平成19年10月19日

品川区議会議長 伊藤 昌宏

東京都知事 あて